「手まり学園」ものがたり
あるところに親に充分に育ててもらえない子どもたちのための施設を作ろうとおもいたった夫婦がいた。
いろいろな縁をたどって愛川町の半原に施設のための土地を求めた。
施設の説明会に地元民として参加した常務は、
「これは受け入れ側としても中途半端なことではすまない。一施設ということですむ話ではない。腹をくくらなければいけない事業だなあ」と感じた。
地域の仲間たちと県内の児童養護施設見学にも参加。施設と地元のよりよい関係について勉強を始めた。
そして、夫妻がどんな思いで施設を始めようと思ったのか、それを知るためには夫妻の出身地福井に行かねばならないと思った。
夏の福井は明るいひざしにあふれ、空も海も青く輝いていた。
「こういうところで暮らしておられたなら大丈夫、悪い人間であるはずがない。出来るかぎりの協力をしていこう。」と、確信した。
盆休みも過ぎ、9月末。坂倉設計事務所の大倉氏から電話をいただいた。
「施設の建物建設にあたって入札を行いたいので図面を取りに来ていただきたい。」とのことだった。
そうか、そういえば建物は木造でと説明会で話しておられていたのであったと、ようやく思い至ったのんきな常務であった。
11月末。入札の結果、造成と建物の建築をおまかせいただくことになった。翌々年4月の開園に向けて、いよいよ本格スタート。
防火水槽の設置
基礎工事も始まる
毎週1回の割合で定例会議を持ち、現場の進捗状況の確認、技術的な相談、打合せを行う。
建方始まる
屋根工事のようす
浄化槽をつくる
施設全体のシンボルホール棟
おもに事務や会議を行う管理棟
児童棟3棟とホール棟
施設の全容があらわれる
教育委員会の方々が視察にみえる
完成
4月 開園を待ちかねたように、子どもたちの入所が始まった。
自然あふれる環境にとまどいを見せていた子どもたちが、日を追うごとに笑顔輝く元気な様子に変わっていく。
入所児童の中には問題行動が心配された子どももいた。
数ヶ月が過ぎその子はきっぱりと言った。「ここではそんなことする必要がないから」


















